誰かが呼んできてくれたのだろう。 直接お礼を言えないけれど、感謝。 握っていた右手にギュッと力が加わるのを感じた。 ハッとして振り返った先に、見たこともないなんとも間抜けな哉太の姿がそこにあった。 子犬が捨てられたような…。 きゅうぅんという鳴き声が聴こえてきそうな…。 幻聴幻聴。 空耳空耳。