もうすぐ休み時間が終わってしまうことに気がついて、慌ててノートにシャープペンシルを走らせた。
「英知くん、相変わらず字が綺麗だね」
そう書きながら言ったのに反応がない。
ふと顔を上げると、どこか切なげな表情をしている英知くんがいて、その視線の先を辿ると木野くんとあかねが話しているのが見えた。
ズキンと心臓が嫌な音を立てる。
そんな傷ついた顔しないで、あかねを見て心を傷めないで。
ああ、ほんとに嫌だ。
こんなときでも、ヤキモチを焼いてしまう。
「……仲良いね、あの2人」
「……」
そうやって呟いた私に、やっと英知くんがこちらに視線を向けた。
「私、あかねと仲良いから知ってるんだ。英知くん、あかねのことよく見てるでしょ?」