「もー、あかねなんて早く木野くんとくっついちゃえばいいのにー!」
思わず、そんな言葉が口から出た。
途端に、顔を赤く染めるあかね。
「ちょっと、大きな声出さないでって……」
慌てたように辺りを見回すあかねは、木野結斗という男子が好きなのだ。
なかなか告白できなくて、私と同じ片想いの身なのだけれど。
私には、好都合なのだけれど英知くんも叶わない恋をしているってことだ。
なんで、上手くいかないんだろうね。
みんながみんな幸せになれたらいいのに。
そう本気で思ってしまう。
この恋は不毛なのかもしれない、でも、簡単には諦められないんだ。
だから、私は努力をする。