「あー…、単刀直入に聞くけど浅野さんって、ボクのこと好きなの?」
少し疑ったような顔。
そうだよね……、今まで気持ちを悟られないように振る舞っていたから信じられないのかもしれないよね。
でも、この気持ちは、嘘偽りないんだ。
私は黙ってコクリと頷くと、
まだ怪訝そうな顔をしてる。
「えー」
「なにさ、えーって。そんなにおかしい?」
「うん。だって浅野さん、ボクに対して性格悪いことばかりするから。」
……貴方ほどでは、ないと思うけどね。
「何かにつけて、ボクを騙そうとしてるしさ。
あーあ、クラスの男子は気づかないのかね、この女、全然天使なんかじゃないのに」
「………?」
「知らなかったの?浅野さん、うちのクラスの男子からエンジェルとか呼ばれてるんだよ。」
傑作だとばかりにクスクス笑う英知くん。
こんなに綺麗な顔をして、こんな毒を吐くなんて……!