「え、急にどうしたの?楓、いつもと違」



ぎゅううっ



「いっ、た…」



俺は離れていかないように千波を強く抱きしめる。



いつからだろう……



こんな独占欲が強くなったのは……



いつからだろう……



こんなにも嫉妬深くなったのは……



「か、えで…っ、痛い…苦し、いよ」



パッ



と千波を放す。








「ごめん…」



俺は千波に呟く。



「どうしたの?こんなの、楓らしくないよ…」



俺………僕らしくない……



………そう、僕はこーゆうことしない。



忠犬みたいに



無邪気に千波ちゃんの側にいられれば…



でもね、もう限界なんだ。



僕ほんとに、千波ちゃんの彼氏なのかな?



ほんとに千波ちゃん、僕の事、男としてみてくれてる?



ほかの男と違う扱いしてくれる?







「…僕の気持ちわかってよっ!!」



「えっ…」



突然、怒り出す僕にびっくりする千波ちゃん。



男は狼なんだよ…



千波ちゃんは無防備すぎる。



僕だって、男だ。



耐えきれないよ…



他の男に触れられている千波ちゃんを見るなんて…







そっと千波ちゃんの手を持ち、



ちゅっ



手の甲にキスをおとす。



「っ!?」



驚いてる…



彼氏なのに男として見られてないなんて



僕、嫌なんだよ……



「もう他の男に千波ちゃんを触らせちゃだめだよ?」



そう言って僕は…



千波ちゃんのおでこ、



頬、手の甲、



最後に唇にキスを落とす。






「っ/////」



真っ赤になった千波ちゃんを見て



クスッと笑い、



千波ちゃんの手を引きその場を出た。



それからというもの、



休み時間がある度に、僕は



千波ちゃんの教室へと足を運んだ。









近寄って来る男から守るために。



誰も千波ちゃんに近づかせないために。



たまに僕の目を見計らって近づく男にはキツく睨むけど、



そんなことしてるなんて思っていないんだろうね、千波ちゃんは。



そんな僕を知ったら



千波はどう思うかな?



こんな嫉妬深い犬系彼氏だけど…



どうか嫌わないでね?☆




作品を評価しよう!

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:191

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

変霊の集い!?-ここに集まるな-
空城藍/著

総文字数/2,164

ファンタジー10ページ

表紙を見る
強い君に好かれて
空城藍/著

総文字数/8,974

恋愛(キケン・ダーク・不良)40ページ

表紙を見る
女の園・姫君の秘密
空城藍/著

総文字数/3,707

恋愛(学園)21ページ

    表紙を見る

    この作品を見ている人にオススメ

    読み込み中…

    この作品をシェア