「何って……走りの時に煌くんの後ろに乗らないって言っただけだよ?」




わたしは、愁さんを見て答えた。




「そういうことか……」





愁さんは、納得したように弄っていたパソコンをパタンと閉じた。




「煌も、もう少し………大人になってほしい…な……」




愁さんは溜め息をついた。




「愛依ちゃんは、走りのこと……鬼翠のことを考えて、言ったんだよね?」




愁さんは、見透かすような瞳でわたしを見てきた。



この瞳…怖い…んだよね……





「そうだよ……」




わたしは、ビクビクしながらも真っ直ぐ愁さんを見つめて答えた。