「この・・・世界を」
「あぁ、そうだ。誰も争わない世界が、きっと出来るはずだ」
生きようぜ、とロルフはつぶやいた。
「それが・・・俺たちの生まれてきた意味だろ?」
あぁ・・・そうだ。
生きなければ。
彼女のために。
誰もが幸福な世界のために。
たくさんの誰かに愛された俺は、この愛を未来へつなげなければならない。
そうだ。
そうなんだ。
そして・・・
誰かを幸福にしてやるんだ。
今まで誰もなしえなかった形で。
武力ではなく、愛で変えられる世界があるはずだ。
力でなく、言葉で築ける未来があるはずだ。
きっと、きっと。
そうだろう・・・?
ナタリー・・・?
遙か彼方の空で、懐かしい笑顔がうなずいた気がした。
fin.
終わりましたー!
よっしゃー!
マジ達成感!
ここまでよく書けたものだと我ながら感心してしまいます!
戦争という重いテーマに、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
この『Love in War』は、雪歩がいろいろな作品に触れ、『伝えたい』と信念を持って書いた初めての作品です。
今まで、他の作品を書くのも、もちろん私にとって大切な作業でした。
でも、こうやって自分の思いを物語にするのは、難しくて、けど、やっぱり大きな喜びのあるものでした。
かなり架空設定の多い作品です。
一応、第一次世界大戦中のヨーロッパをモデルとしています。
が、まぁ、たぶんこんなことなかっただろうな、と。
けど、『戦争』に多くを奪われた人の気持ちは描くことが出来たのではないかな、と思います。
戦争は、けして遠いものではありません。
そして、戦争の中で生きた人々は、今の私たちと同じ血の通った人間なのです。
同年代の人々を登場人物に設定し、恋愛を軸に描くことで、少しでもその温度感が伝わったらいいな、と思います。
で、ここでちょっと作者の思いを書いてみますと・・・
ナタリーの両親が亡くなっている設定をもっと細かく書きたかったんですが・・・展開上ボツに。
アレンは、教師になって、次の世代に平和の大切さを伝えていく設定です。帰国してからお父さんと、向き合うエピソードもあったんですけどね・・・。
パトリシアは、もうラストの方ぐだぐだでしたね。ごめんなさい。でも、無償の愛を体現してくれた素敵な女性だと思います。ありがとう。
ロルフも、若干ぐだぐだでしたね。おいおい、はっきりしろよ!・・・みたいな。ロルフがナタリーを好きっていう設定の伏線は、序盤でもけっこうありますので、もしよければ探してみてください♪
とにかく、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
それでは、また違う作品で(^^)/
2014/03/28 17:28