でも、やっぱり恥ずかしい・・・
「服着るから。・・・見ないでね?」
「何を今さら。昨日の夜は・・・」
「もう!怒るよ!」
「はいはい、こっち向いてますよ」
ちょっとふてくされたように、アレンがそっぽを向いた。
だって・・・恥ずかしいじゃん・・・
屋根裏の窓から差し込む朝日が眩しい。
あぁ・・・こんなに世界って綺麗だったっけ?
身支度を調え、髪をとかす。
そういう日常的なことが出来る程度には、私はこの屋根裏になじんでいたのだ。
「行こうか」
「えぇ」
私たちは、もう一度キスをして、部屋を出た。
幸福な思いが胸に満ちていた。
あぁ・・・ようやく。
形を持って、彼女を愛せた。
ほっとしたような。
満足したような。
何かが終わってしまったような。
これでいい。
このままの愛が続けばいい。
守り抜いてやる。
身体を重ねた今。
その思いが強くなる。
絶対に、何があっても、一緒にいる。
守る。
愛する。
後悔しないように。
これ以上、何かを見失わないように。
「死ぬなよ」
「・・・アレン」
「生きろよ」
それが全てだ。
伝えるべき、全てだ。
「・・・うん」
繋がれた手が強く握り返される。
愛しい。
愛しい。
俺は、ただ、深い愛を胸の中に感じた。
「そろそろ、かな」
「あぁ、もう、いつ来てもおかしくない」
生徒たちも目を覚まし、絶望への覚悟を決めた表情になっている。
今日で終わりなのだ。
生きねば。
敵が来ようと。
救いが来るまでは。
・・・本当の救いなのかは誰にも分からないが。