君の生きた証~love in war~

そんな彼のために・・・


私が出来ることは・・・
私は手を伸ばす。

アレンの茶色の髪に触れる。

冷たい肌に触れる。





そして、アレンの精悍な身体を抱きしめる。


「好きよ、アレン」

私たちは、運命の前でこんなにも無力だ。



それなら、私が彼を救う術は1つしかない。








「愛している」と告げることだけ。

アレンの存在を許すことだけ。
「私は・・・そばにいるわ」




ずっと、ずっと、永遠に。












ほのかな体温が制服越しに伝わってくる。

私は、静かな鼓動を感じながら、アレンを抱きしめた。
やわらかな髪が頬をくすぐる。

理性が吹っ飛びそうだ。

気弱になってるからって、男としての本能が消えてるわけじゃない。




ちょっとまずい・・・
しかも、横には備え付けのベッドがある。



あぁ・・・

疲れたとき、いつでも寝られる、なんて能天気なことを考えていた俺・・・





だめだ。

本気でおかしくなっちまう。
身体が密着して、劣情が刺激される。



慰めてくれてるのは分かる。

ナタリーの真っ直ぐな愛情もちゃんと分かる。

分かるから・・・



あぁ、くそ。

どうしようもない。





気弱になって甘えた俺がバカだ。

こんなことになるなら、格好つけてでも抱え込めばよかった。
「あの・・・ナタリー・・・」

「うん?」



死ぬ気で言ってみる。



「ちょっと・・・俺、限界・・・」