食料庫から、食料を運び出す。
生徒の多くが落命したとはいえ、食事はなるべく必要だろう。
生きねば。
戦わなければ。
私に出来ることは・・・それほど多くはないのだから。
そのとき・・・
昨日と同じ忌まわしい銃声が響いた。
「来たか・・・」
国境の方から、大砲が撃ち込まれたらしい。
激しい衝撃音が耳を穿った。
銃を片手に、外へ出る。
「くそ・・・」
あいつらは、ここにいるのがせいぜい17,18才の子供だと認識していないのだろうか。
容赦ない攻撃が襲い来る。
「ダニエルは、5組の男子を連れて木の陰に隠れててくれ」
「分かった」
これでも、軍人の嫡男だ。
兵法くらいは一通り心得ている。
「俺が・・・囮になる」
「アレン・・・」
「1、2組の男子も、ダニエルについて行ってくれ」
「おい、アレン・・・」
「3、4組は・・・」
「聞けよ、アレン!」
「・・・何だ、ロルフ?」
「俺も行く」
「何をバカなことを・・・」
「バカはお前だ、アレン」
「ロルフ・・・」
「何だよ、囮って。一人で勝手に死ぬ気かよ」
ロルフに、肩をつかまれた。