アレンの目には、何かが浮かんでいた。
その何かに名前をつけるとしたら・・・
銃の堅い感触を手のひらに感じながら、俺は自分の胸に問いかける。
『俺はどう生きるべきなのか』と・・・
アレンが・・・おかしい。
戦いのためと言うより・・・どこか、狂ったような。
いや、投げやりなような。
ずっと、ずっとそばにいた。
言葉が違っていても。
クラスが違っていても。
故郷と聞いて思い出す風景が違っていても、それでも寄り添ってきた。
だから・・・分かる。
「私たちは・・・何を?」
パトリシアがヘレン先生に訊ねる。
「そうね・・・負傷者の看護をお願い」
「分かりました」
「それに、食事も」
「食事?」
「えぇ、昨日の朝から何も食べてない生徒も多いわ」
「そう・・・ですね」
私自身もお腹がすいていた。
「ついてらっしゃい」
ヘレン先生に促され、アレンたちが向かったのとは別の倉庫へ行く。
そこには、見上げんばかりにうずたかく積まれた糧食があった。
日持ちのする黒パン。
燻製の肉。
ジャガイモ、にんじん、ピクルス・・・
「これは・・・」
「これだけあれば、1ヶ月は持つでしょう」
「えぇ・・・」
「生徒全員が食事に困らないようにと準備したのだけどね・・・」