君の生きた証~love in war~



「友達が、待ってるんだ」

強い使命感に満ちた目だった。


あぁ・・・この人は強い。

私の何倍も、強い。



「・・・分かった」
「それに、夜戦は禁止されてる。大丈夫さ」


そして、ロルフは、そっと私の髪をなでた。


「弔ってくる」
数え切れないほど多くの友達がこの世を去った。

涙が涸れればいいと思うほど泣いた。



・・・どれだけ願っても戻らない人がいる。




それでも、生きていかなければ。

私たちは、生きなければ。



深い深い絶望の中で、私はそう決意した。
暗い闇・・・

うめき声が聞こえるのは、気のせいだろうか。




遺体回収に志願した生徒は、ごくわずか。

アレンやダニエル、そして俺は、その数少ないメンバーだった。



・・・無理もない。

あれだけの地獄を見たあとだ。


友達の死に触れることは、拷問に等しい。
倒れている人の顔を確かめ、担架に乗せる。

焼け焦げた遺体も少なくなく、制服だけで確かめたものもあったが。



ブラスバンド部のクララ。

秀才のヨハネス。

美人で有名なレイチェル。

恋人同士、かばい合うようにして倒れていたマルセルとエリカ。




気が狂うほど、大勢の友人たちが命を落としていた。


いっそ気が狂えばどれほど楽だろうと思った。

俺は、そっと1人の横にしゃがんだ。

ランプで顔を見る。



「こいつ・・・」
敵国の兵士だった。

こちらに攻撃をするうちに、流れ弾にでも当たったのか、血まみれで倒れていた。



俺たちより3、4才ほど年上に見える。

気の強そうな顔をしていた。




「う・・・」



兵士は、うめき声を上げた。



「・・・生きてる?」