ガツンとくる衝撃と、
モフッと当たる羊の毛。

【神倉 美琴】(かぐら みこと)は、見たことのない場所で目をパチクリさせた。


眩しく突き刺さる太陽の光。
鮮やかな色とりどりの花。
ぽかぽかと心地好いばかりの温室にて。

美琴はあんぐりと口を開けるばかりだ。


「なに、何ここ…。さっきまであたし、自分の部屋に…、は?」

「ミコト、ミコト。着いたよ」


モフモフと体をよじらせ、懐中時計を持ったまま美琴を見上げるデフォ羊。

ワケが分からない!
一体自分はどうしてここにいるのだ!

もんもんと考えこむままに、美琴は頭を抱えてうずくまる。

そこへ、ジョウロを持った少年が近づいてきた。


「あの…えっと…、どうかしましたか…?」


その少年、美琴にはない可愛らしい顔立ちをしている。

美琴は10のダメージを喰らった。
世の中不公平だと世間に唾を吐いた。

美琴は瀕死状態である。