「じゃあな。逢恋」


「ぇ…、」




 彼は私に背を向け、肩手をあげて振った。






 本当にさよならしてもいいの?


 もう、会えないかもしれないのよ?








「あ、ま、待って!!!」







 頭より身体が動いてた。声が出てた。






 私は、彼の腕を両手で「行かないで」と言うように掴み、そう叫んだ。





 お願い…。まだ行かないで。伝えなきゃいけないことがあるの…。