「チッ、じゃあ、渡すぜ?」



 ボディーガードがそう言って、お金が入っているであろう灰色のボストンバックをこちらに乱暴に投げた。



 見事にキャッチした犯人は、私の背中を押す。




「わ、わ…!」




 そのまま私はボディーガードの胸の中へ。






「じゃあな」






 目を細めて、犯人五人が帰ろうとした。が。







「ちょぉ、待てよ」






 ―――あの時と同じだ。私を助けてくれた、あの時と同じ瞳。真剣でドキ…!としてしまいそうな、そんな眼差しをするボディーガード。