「ここは、まぁ、海が近い倉庫かな♪」
海が近い……。鼻でクンクンと嗅いでみれば、確かに潮の匂いがした。
「あと10分だ。そろそろ行くぞ」
「「「「あぁ」」」」
縄を一度とき、もう一度縄をまかれる。背中の冷たさがなくなった…、柱から私を離しただけみたい。
というか、私も行くのね。どこだっけ……あ、宝石館の屋上だ。
軽々と五人の中の誰か一人の肩に私を乗せられて、「え…!?」と驚く。私、ちゃんと歩くのに。でも、何も言えなかった。怖くて、恐くて。
やっぱり、助けに来てくれないのね。仮にも、ボディーガードなのに。食べ物に目が行き過ぎなのよ。…もう、ボディーガード失格ね。
―――それでも、私は彼のことが好きだなんて。なんだか笑えてくるわ。