私の頭を優しく撫でてくれた大きくて温かい手。


 私に向けられた人懐っこそうな無邪気な笑顔。






 そんな彼―――咲間さんに、私はドキン、と胸をはねらせた。









 あぁ、どうしましょう。



 完全に、“恋”というものに落ちてしまった。







 高校二年生になったばかりのそんな春。



 私は一目ぼれをしてしまった。




 相手は、まさに「正義のヤンキー」。