「あ、あいつ……龍華の…っ」
「に、逃げようぜ」
彼を見た瞬間、金髪野郎二人はスタタタタッと逃げるように去っていった。
「大丈夫か?」
掴まれていた腕がやっと解放され、私は力がなくなったかのように地面に座った。
「は、はい…。助けてくれてありがとうございました」
「こんな夜遅くに一人で帰ってちゃ危ないぜ?」
彼は、ほら、と言って私に手を差し伸べた。私は少し照れながらもその手につかまり、彼がフワッと起き上がらせてくれた。
「あ、あの……お、名前は…?」
「俺? 俺は、咲間 銀。一応、龍華って族の総長代理だ」