最初は暴れたけど、絶対おろしてくれないってことがわかり、そのままお姫様抱っこされることに。




「いいこだね」



「やめてよ、子供扱い」






「違うよ。



 彼女扱い」








「…っ!?」




 頬にチュッという音を立てて二回目のキスを落とすと、咲久は上機嫌なのか鼻歌まで歌った。






 犬と狼の二つの顔を持つ彼に恋してしまった私。


 この恋は、厄介だ…。



 だって、ドキドキがさっきから止まらないんだもん。