魁輝は確か、鉄パイプを使った卑怯な手で弱い族から順に潰していった、と聞く。それに、女性に対してよからぬ行為をしてる、ってことも。
なのに、なんでだろう。青澤は、なんか話しやすくて逆にイイ奴なんじゃないか、って思った。
でも、それは表向きなのかもしれない。今みたいに、わざわざ明るくていい奴てきなアピールしてから、最後には冷たくあっさりと捨てる。
そんな男、山ほど見てきた。
実際、青澤の瞳の奥は、光が入ることを恐れた闇に包まれているように見えた。
「咲久……」
なぜかさっきから、咲久の顔が離れない。助けてきてほしい、なんでかそう想ってる。自分の感情にも気づかずに、進むのは時間のみ。
ねぇ、咲久……あなたは今、何をしていますか?