でも今日は、ひとりも声をかけてこなかった。


 それに、ホッとした。




 薄暗く狭い道に入ると、


「………せよ!」


「………す…」


 と、声が。


 なんだなんだ?


 と好奇心旺盛な私は、前へ前へと進んでいった。




「あ」




「肩ブッ壊れたんだけど、…慰謝料。払えよ?」


「…お金、あ、ありませんし……」


「あ゛あ!?なに?お前、人に怪我させといて金払わずに逃げんのかよ」


「す、すみません…」


「謝るだけで許してもらえたら、警察なんていらねーんだよ!!」


 不良3人に、高校生一人か……。


 こりゃ、めんどくさい。


 男子高校生は、さっきからびくびくしてるし。大丈夫か?

 …って、大丈夫じゃないよね。ハハ。