『…そうか。その言葉を聞けて、俺は満足した。


 あぁ、いるよ。この学校にな。






 ―――って言いたいところだが、残念だが、いねぇんだよ。ここには。


 俺と健吾も手分けして探してるんだけどよ、見つからねぇんだわ』









 ごめんな、と付け足して言う晋也さんの声が耳によく響いた。






「そ…すか。いきなり電話かけてすみませんでした。


 ……はい、でわ」




 電話を切ると、拓真が「どうだった?」と聞いてきたので、黙って首を横に振った。




 通ってなかったよ、そう言わんばかりに。