「よっ」


「おはようございます」



 奏多と紺の挨拶に、俺は「…はよ」と欠伸一つしながら返す。



「ゆっくり行こー?ぜってぇ遅刻だし」


「だな」



 昂と美橙の会話に、俺も頷く。






 俺らは、全国NO.1の族・甲羅に入っている。


 しかも紺と奏多と美橙は幹部。昂は副総長で、俺は総長だ。






 知らぬ間にそんなえらい立場になって、最初は「俺でいいのか…」とか思ったりしたことあったけど、仲間がいりゃ大丈夫か。なんて、今では安心しきっている。






 トボトボとゆっくりペースで学校まで歩く。喋ったりしながら。








 まさか俺らの生活が思いが変わるとても大切な日だとは誰も気づかずに、“いつも通り”って感じで過ごしてた。