「うん。伊島 吾郎は、私のお父さん。





 お父さんに体力つけろ!って鍛えられてね……、大変なのよ?ウチは。




 小二になって、お父さんと戦うようになったんだけど、一回しか勝てたことがないんだよねぇ」







 …ん?今「一回しか勝てたことがない」って言ったか?






「あの伊島 吾郎さんに、勝ったことがあんのか…?」



 恐る恐る聞いたところ、美藍はあっさりと「うん」と頷いた。付け足して「一回だけだけどね~」と悔しそうに言う。





 一回でもすげぇじゃん!!!勝てたんだぜ!!??






 あー…どうしよ。不安になってきた。こいつもしかしたら、俺より強いんじゃね?






 俺、仮にも総長なのに……こんな女の子に負けたらどうすんのよ。