私が教えたんです、と付け足して言う私に「そうか」と町村さんは笑顔で言った。 「今までお世話になりました。 ……あの日、晋也さんが私の家に来なければ、まだ私は闇の中にいました。 お二人に会えて、すごく嬉しかったです。 数年後、必ずまた会いに来ます。 ―――その日まで、さようなら」 「またな、美藍」 「また会いましょう、美藍さん」 私は二人の顔を脳裏に焼き付け、理事長室から出た。