―――数週間後。







 新年を迎え、私は寮にある私の物をカバンに詰めていた。



 初めてここに来た時から、荷物は増えていないのでカバンに荷物を詰めてもまだ余裕がある。








「ふぅ。やっと詰め終わった」







 505号室内は、生活できるほどの家具しかなく、私の物はもうない。






 広いな…。豪華だな…。



 いつ見ても、この部屋は。






 まだ春が来ていない、そんな季節。



 私は微笑みながら、その寮から出た。