沈黙が30秒流れ、私がみんなの顔の前で「おーい」と言いながら顔を振り続けて10秒。



 手を振るのに疲れ、ぼーっとすること10秒。






 一分経過…。






「「「「「えぇええぇええええ!!??」」」」」






「うん。おかえり」







 フードをパサリととり、私は“私”だということをさらにアピールした。



 やっと戻ってきた。長かったなぁ、一分。みんなどんだけ“違う世界”に行ってたんだよ。まったくもう。






 長い黒髪が、倉庫に入ってくる冷たい風によってなびく。





「え…、姉ちゃんが?」


「美藍が、桜華…!?えぇ!!??」


「ありえないですよ…」


「まさか…だって、MIRIAが桜華で……え?」


「あの伝説の桜華の正体が、龍華の総長が、美藍?」