「姉ちゃん!!!」





 幹部室から出ようとしたとき、呼び止められた。




 美橙の声によって。



「…美橙?」



 私のこと、まだ「姉ちゃん」って呼んでくれてたんだね。


 ありがとう。





 それだけで、私は満足だよ。





「ごめん…。姉ちゃん」



「美橙…?」





 え?どうして?なんで?


 なんで、謝るの?


 美橙……?



「俺……あのとき、どうすればいいかわかんなくて…」



 あのとき……それは、父と母が亡くなった時。