最初の一回しか私は清乃に攻撃のチャンスをあげなかった。


 いや、チャンスはあげた。だが、あいつが攻撃できなかったんだ。







 バタリと顔から倒れる清乃。







「……俺は…っ、もう……強い…、」






 さっきの私の言葉に、清乃は精一杯の反論をした。







「『強く』ねぇよ。力は強いが、心は弱ぇよ」




「…は?」




「もう、復讐なんて考えるな」






 失敗は誰にだってある。人間だもん。仕方ない。だけど、ちゃんとやり直せ。失敗で終わらすな。