病院についてすぐ、警察の人から聞いた。





「居眠り運転をしてた人が乗ってた車と君のお父さんが運転してた車がぶつかって――――――」





 どんどん声が遠ざかっていく。



 は?なに?居眠り運転?…馬鹿なこと言ってんじゃないわよ。ちゃんと睡眠をとってから運転しなさいよ。あんたのせいで……っ。




 殺意さえ生まれたその言葉に、私は首を横に振って冷静さを保とうとする。



 だめ。そんなことしても、現実は変わらない。




 大丈夫よ。お母さんとお父さんなら助かる。きっと。


 大丈夫、大丈夫。




 自分を安心させるかのように、心の中でずっと言ってたその言葉を私は父と母が「助かった」と言われるまで、やめるつもりはなかった。







 数時間経って、美橙が来た。



「姉ちゃん!母さんと父さんは!?」


 顔色を変えながら私にそう聞く美橙に私は黙ることしかできなかった。