ふと前を見ると、父の車のすぐ目の前に父の車のような無様な姿をした自動車があった。
この車と父の車が…ぶつかったんだ。
冷静に把握したつもりの現場。
コンコンッと音を立てて警察の人が割れた窓にノックした。
私に「大丈夫ですか?」と声をかける。
大丈夫…私は大丈夫だから、お願い…!お母さんとお父さんを助けて!!!
そんな気持ちを込めて警察の人と目を合わせると、ぎこちなくドアが開いた。
開くとすぐに私は、
「お父さんとお母さんが……っ!!ねぇ、助けて!!!!」
警察の人にそう叫んだ。
そしてすぐ、お父さんとお母さんは救急車の中へ運ばれた。
私も付き添った。