「左隣の504号室が、俺と紺」

 奏多が504号室を指差しながら言った。



「俺と美橙と和也が、506号室だ」

 今度は昂が506号室を指差しながら言った。



 ……美橙も…隣なの…?



 だめ。


 美橙は私を嫌ってる。


 私の顔を見たら……この学校をやめるかもしれない。




 どうしよう。




「倉庫に来い」



 和也がいきなり言った。


「嫌って言ってるじゃん」


「来い」


「……私は、行けない」


「来いよ」


 4人の目が、私に集まる。

 その目は、やけに真剣で…私は言葉をつまらせた。