「今日の放課後、美藍が倉庫に来るって!!」



 幼い子供が風船をもらって喜んだように和也たちに言った昂は私に「ね?」と聞いてきた。




「う、うん…」




「ふーん。別にあそこにお前が来ても、楽しくねぇよ?」




 奏多がツンとした態度で言うと、私はフッと笑った。





「楽しいよ」





 私はそれだけ言うと、屋上から出ていった。




 楽しいよ、十分。


 だって、和也たちがいるんだもん。それだけで、楽しいよ。



 それに、私は前まで龍華の総長で龍華の倉庫になんて泊りがけでいたんだよ?


 倉庫は私の場所。みんなとの場所だった。



 だから、きっと友達の族の倉庫だって、いつかは大切な友達との場所になるんだよ。