トントンとノックしてから、理事長室へ入った。
「…美藍。どした?」
「え、えっと………あ、寮の部屋どこかなって」
「お前、今授業中だぞ?」
「ごめ…」
甲羅のやつらから逃げてきた。
なんて、言えなくて…。
私はとっさに言い訳をしてしまった。
きっと、晋也さんはわかってる。
なにかあったってことくらい。
でも聞かない。
……ありがとう。晋也さん。
「寮の部屋はな、最上階の505号室だ。一人部屋だからいいだろ。
あ、あとな、この学校には女子お前だけだから。気をつけろよ」
「うん。…わかってる」
私は晋也さんから鍵をもらい、早速寮へ行くことにした。
授業なんて受けても、集中できないと思うし。