「応援に来たら、もうライブ終わってるから…ステージ脇に行って声かけようとしたら、お前が倒れそうだったから…さ」






 目線をそらしながら、後ろ頭に手をもっていく和也。



「…助けてくれてありがとう。和也」



 私はフニャァと柔らかく微笑むと、和也はなぜか顔を背けた。




「…?」



 その行動がよくわからなかったけど、私はとりあえず制服に戻ろうと思い「更衣室に行ってくるね」と和也に言った。



 でも和也は「俺も行く」と言い出した。



 ……え、なんで?



 冗談を言ってるようには見えない表情。…なにか理由があるのかな?




「MIRIAの姿のままじゃ、大変だろ」



 あ…なるほど。この姿のままここを出たら、みんなに騒がれると思ったのか。

 大丈夫なのに。だって、気配を消せば済む話でしょ?