「ねぇ、美橙…」




 私が美橙の肩にポンと手をおくと、美橙は「……ぎ、ぎやぁあああああ!」と叫びながらさっきの奏多みたいに先に走って行ってしまった。




 ……おいおいおい。私は化物扱いか?


 奏多といい美橙といい…、どうしたんだお前ら。





 美橙の体重がなくなり、私は難なくクリアできた。



「ねぇ、紺……私たちだけになっちゃったね」


「ですねぇ…」


「2人ってホラー苦手だったの?」


「奏多は苦手っていうレベルじゃありませんよ。美橙は……まぁ、少し」



 やっぱり…。



「じゃあなんで2人とも、お化け屋敷行こうって私が言ったとき…拒否しなかったんだろう」




「フッ……それは、美藍に喜んでもらいたかったんですよ」



 紺の顔…暗くて見えないけど、絶対ニヤニヤ笑ってると思う。