「そ、奏多……?」






 やっぱりこういうの苦手だったか…。




「だ、大丈夫?」




 私が奏多の肩にポンと手をおくと、また「ぎゃあああ!」と叫びながら一人先に走って行ってしまった。



 いやいやいや。私だって。私の手。


 そこまで怖がりだとは思わなかった…。




「奏多……先に行っちゃったけど…どうする?」



 紺と美橙にそう尋ねると、2人は「ゆっくりと行こう」と言った。



 だよね。

 私もゆっくり行きたかったし。