「キャーーーーーーッ!!」






 扉を開けて、すぐ…この声が聞こえた。鼓膜が破れそう…。



 ここのコスプレ喫茶に並んでた女子が甲高い声を上げ、こちらを見てる。



 ……視線が痛い。



 その視線からは、嫉妬や怒りが感じられる。



「…なんで紺様と奏多様と一緒にいるのよ。あの女」

「ムカつくわぁ」

「ちょっと可愛いからって調子のるなって感じぃ」



 うん。バリバリ聞こえてますけど?


 でも私は無視。


 素通りで女の横を通りすぎる。




「よくスルーできますね」


「ホントだよな。俺、キレるとこだったぜ」




 2人は感心しながら言った。私は「めんどくさいじゃん?」と苦笑いで言った。