「……簡単?…ありえねぇ」



 和也がボソッと呟く。




「ですよね」


「天才なのか、美藍は」



「俺……なんか悔しい」



「まぁ…さすが姉ちゃんっすけど…」





 そんなみんなのコソコソ話なんて、


 私は気にもせず、



「ほら、寮に帰ろっ」



 と小走りで屋上から出た。




 
 そんな私を追うように、


 五人も屋上から立ち去った。