「…相馬か」
振り替えるとそこには同期で同じ階級の友人、空井相馬(そらい そうま)がいた。
「あっ空井少佐!!」
石原があわてて敬礼すると、相馬は「よしてくれ」と苦笑いした。
「ここにいるのは三人だけだし、お前に敬礼されるのもな」
「えっ、あっ、ははは…」
石原が照れたように手を下げると、空井は私の方を向いて口を開いた。
「さて石原、俺は確かお前に伝言を頼んだはずだが?」
「あっ!!すすすすみません!」
「………………用件なら簡潔に述べろ。何だ?」
「はい!実は少佐のために祝の席をご用意いたしまして!!」
一瞬いっている意味がわからなかったが、やがて事態を飲み込んだ私は、
「………………お、おう」
としか呟けなかった。