…君との出会いは、



高校1年の初夏。






梅雨が明けて、ジメジメした蒸し暑さが灼熱に変わろうとしている今日この頃。



入学当初は楽しみだった高校生活も慣れれば少し退屈だ。



「実奈美(ミナミ)〜、また明日ね!!」



「うん、バイバイ。」



舞(マイ)に小さく手を振ると、机の中から宿題に使う教科書を取り出して鞄に突っ込んだ。



鞄を肩にかけると、数人のグループが残る教室を後にして下駄箱に向かう。



廊下の空いた窓から入ってくる風が、私の長い髪を小さく揺らす。



汗が滲む日中に比べて風通しの良い夕方は、わりと好きだ。



校舎を出ると、グラウンドでは運動部が必死に活動していた。



「皐月(サツキ)先輩…」



サッカー部のど真ん中で輝く笑顔を放つ先輩は、カッコイイ。