家に着いた私は、早速楽譜をもってピアノに向かった。
アップライトの小さなピアノだけど、白くて脚や譜面立てには綺麗な装飾も施されている。
そんなお気に入りのピアノだが、いざ合唱する曲を弾こうとして思わず手が止まってしまった。
楽譜を良く読むと、一番初めのト音記号の脇にシャープが4つ。読むのが難しくて、私の大嫌いなタイプの楽譜だった。
練習が全く進まないまま、ピアノの前でボーッとしていた私の足に何かふわふわしたものが当たった。
足元を見ると、薄茶色と白の混ざった猫が私を見上げてニャーニャー鳴いていた。
「美穂、3送会の伴奏に選ばれたんだってね。この子はお祝いよ。」
いつの間に帰ってきたのか、ママがそう言って笑顔を見せた。
「だってママ、伴奏なんてもう何回も選ばれたことあるよ。」
「そうね。でも、6月の誕生日もこの前のクリスマスも全然お祝いしてあげられなかったじゃない。だから、猫ちゃんで許して!」
ママは私の足元から猫を抱き上げて、ソファーに座った。私も隣に座ると、ママは猫を私に預けた。
「ママ、この子の名前、ふなにする!」
「え、猫にふなって付けるの?」
「うん!今日から名前はふなだよ!」
私の膝の上でフナーフナーと鳴いているのが可愛くて、名前はふなに決めた。
アップライトの小さなピアノだけど、白くて脚や譜面立てには綺麗な装飾も施されている。
そんなお気に入りのピアノだが、いざ合唱する曲を弾こうとして思わず手が止まってしまった。
楽譜を良く読むと、一番初めのト音記号の脇にシャープが4つ。読むのが難しくて、私の大嫌いなタイプの楽譜だった。
練習が全く進まないまま、ピアノの前でボーッとしていた私の足に何かふわふわしたものが当たった。
足元を見ると、薄茶色と白の混ざった猫が私を見上げてニャーニャー鳴いていた。
「美穂、3送会の伴奏に選ばれたんだってね。この子はお祝いよ。」
いつの間に帰ってきたのか、ママがそう言って笑顔を見せた。
「だってママ、伴奏なんてもう何回も選ばれたことあるよ。」
「そうね。でも、6月の誕生日もこの前のクリスマスも全然お祝いしてあげられなかったじゃない。だから、猫ちゃんで許して!」
ママは私の足元から猫を抱き上げて、ソファーに座った。私も隣に座ると、ママは猫を私に預けた。
「ママ、この子の名前、ふなにする!」
「え、猫にふなって付けるの?」
「うん!今日から名前はふなだよ!」
私の膝の上でフナーフナーと鳴いているのが可愛くて、名前はふなに決めた。