彼は私とは反対の方向を向いていたのだった。

あからさまに、私の方を見ようとしない。

私は少し瞳に涙が溜まって・・・。
今にも目をつぶれば涙がこぼれそうだった。


そして、彼の耳たぶは赤くなっていることに気付く。


・・・あぁ、きみが愛おしい。
何度も好きと言いたい。

でも、言えない。恥ずかしい。


私は胸がきゅっと締め付けられるような気持ちになって、しばらくうつむいた。



・・・・・・もちろん、その席替えでは彼と全く話せない席になった。

前と後ろ。
右と左。

正反対の席だった。