もう、私の頭の中はぐるぐるだ。

開会式が終わってすぐ放送席に行けなんて言われてないってば!

私は放送の原稿を持って走ってる。
広すぎるグラウンドを係のために必死に駆ける。

マイクをつかんで急いでイスに座って・・・
ええいっ!
順番とかもう気にしない!

それから、私は練習してきた原稿を読み上げる。

私は一度しか読めないから、一言ずつしっかりと言う。


・・・競技も終わった。
思ったより、スムーズに言えて楽しい!!

思わず、口元がゆるむ。

「平山、頑張ったなー」

そこには笑顔の佐倉くんがいた。

「うん、頑張ったよ!」

私は顔を見ないで言い去った。


だって、照れるんだもん。