ピンポーン・・・。


もう、夜の7時を過ぎていた。

お母さんの足音がかすかに聞こえる。

話し声・・・。

「結実は、まだ体調が悪いんですか?」

「えぇ、なかなかねー・・・。」

「じゃあ、これ。明日の日課表です。」

「ありがとう、由葵ちゃん。」

「ではっ!お大事にー!!」

ドアが閉まる音。



私はベッドから抜け出して、下に行こうとした。

「ケホケホッ・・・。ゴホッ!」

咳き込む・・・。のどが痛い。


「ゆ、うきっ・・・!」


声が、声が、届かない。