泣くのをこらえて、やっと落ち着いた頃。


ふと前を見ると、家の前だった。


由葵は部活見学に行くはずだったのに!
「由葵!部活見学はどうしたの!?」

ふわりと振り向いて笑う。
「いーの、明日もあるじゃん♪」

やっぱり、由葵の笑顔には負ける。


「そっかぁ!!」


私は今日いちばんの笑顔になった。


ジリリリリリッ…目の前で自転車が止まる。


乗っていた人は、達川亮介…。


すぐに由葵は顔が固まり、怒という感情をあらわにする。



私も、泣きそうになった後で少し腹が立っていた。

ちょっとにらんでみた。


あ、無視ですか…。

なにやらよくわからない行動をとられた。


変な人…。