「うぅ……ぐす………………ふぅ」


やっと泣き止んだ私…



「やっと泣き止んだか」

そう言って笑う紫音


「紫音〜………ありとぅ」




「お前…“ありとぅ”って……ふふっ」




私は涙は出てないけどまだ嗚咽の
残る呼吸で
“ありがとう”って言ったつもりが

“が”の字が抜けて“ありとぅ”となってしまった……



「ふふ……紫音…本当にありがとね」


紫音は「おう」と短く返事した




お互いに何も言わずにただ

ソファに座ってた


気まずい雰囲気……嫌だな


「し…紫音……あのね…」




紫音に大地とのことを話そうと
した…んだけど


あの大地を思い出すと…止まってはずの涙が…また出てきた…


私…こんなに泣き虫だったかなぁ




「きょん…
お前が大地と何かしらあったのは
わかってる

今…無理に話そうとしなくていいから

もぉ泣くんじゃねぇ
きょんは…笑ってる方が可愛いんだ
から…」





紫音は優しいな…

笑ってる方が可愛い…かぁ

きっとお世辞…



でも私は
まだ溢れる涙を無視して

笑った…




「おう…そっちの方が可愛い…」





紫音…

「私……可愛いく…ないよ?」



こんな顔の私が可愛いって…
そんなわけないじゃないか…



「ふはは…でた無自覚天然」



むじかく…てんねん…?



「わかんねぇってツラだなw
きょんは知らなくていんだよ」


私が知らなくていいって

仲間はずれみたいじゃん…

紫音さっきまで優しかったのに〜



「紫音なんか……猿だからね…ふふ」


似合う…紫音にサルって

ふふふ…似合いすぎ…