「ぷっ。フラれてやんの。」

「ま………待ってよぉ!華ちゃん!」


後から追いかけてくるみんな。
もう。
今は、一人にさせてよ………


「まって。志っち。今は、そっとしておこ。」
「えっ。うん………蘭ちゃんが言うならしょーがないか!」


蘭が、何か言ってくれたのか
私は家に一人で帰った。

ーー夜ーー

~♪~♪~♪

「蘭………?」

メール。


内容は、新條渉のことかしら。


家に着いても新條渉の話………か。


と、思いきや。
全く違う内容だった。


「今から、華ん家行ってもいい?」


ただ、それだけ。

えぇ。いいわよ。
と、返信し、隣の家に住んでいる蘭を、待つ。

なんのようかな?


ピーンポーン!


「そうだ。誰もいないのだった。」



そう。
私には、妹と母がいるのだけど、
妹は、中学にあがってから毎晩のように遊びに行く。
母は、ほぼ残業で12時を過ぎても帰ってこれない日が多くなった。


「はい。どうぞ」


「おっじゃましまーす!」




そんな、家の事情も知ってるのは蘭だけ。
まだ、志にも言えない事は沢山。


とりあえず、リビングへ向かう。

「それで?何のよう?」


お茶をいれながら質問する。


「華が、コッチきたら話すよ」

「そう………じゃあ、ちょっとまってて」


コポコポ………


ただ、お茶をいれる音だけがむなしく聞こえた。


「はい。お茶」

「サンキュ」


目の前にあったお菓子を一口食べ、
蘭は、話し始める。



「今日の………」


「新條渉のことかしら?」


コクリと、頷くと蘭は下を向いてしまった。
きっと、彼氏ってのが気になってるのね。
うまれたときから一緒にいたから、お兄ちゃんに話すみたい。
本当のお兄ちゃんもいるっちゃあいるんだけどね。
でも、私のお母さん、父と離婚をしたから
長男は、父の方にいるのよね。だから、今は、私は三人家族。

って、そんなことどうでもいいか。

「別になんともないわ。」

「本当に?アイツのこと、好きじゃないの?」

「当たり前。あんなやつ、どこを好きになれって言うのよ。」


そういった私の言葉に安心したのか。
また顔を上げる。
そして、今度は私の目を真っ直ぐ見つめ………


「好き」