まぁ、あからさまと言っても

今まで以上に無視してるだけだけど。


「なぁ!華美っちゃん♥」


ツーン………。
ガン無視。


それでもめげずに渉は話しかけてくる。


てゆうか、渉。
あなたカッコイイんだから、
私じゃなくてもよくない?


どうして私なの?


でも、あなたの好きはきっと
私とは違う。


あなたは、冗談で"好き"っていってくるのでしょ?
からかっているんでしょ?
私の反応をみて、遊んでる。
だから、下手に意識してはいけない。

もう、初恋は忘れるの。
だって、新條渉は嫌いだもの。
坂本渉は、まだ好きだけど。
忘れるまで時間がかかるのよ。あともう少しで忘れられるから………。待ってて。新條渉。


「なあ!華美ちゃん!無視しなくても………」


「いい加減にして。私で遊ばないで。遊ばれてイヤな気持ちしてるの。分かってよ。」



「………………。」



ハッ。
言ってから気付いた………

私………言い過ぎ…。
謝らなきゃ………。


別に嫌じゃないの。
また渉と喋れるの
本当はすっごく嬉しいの………。
忘れようとしても、やっぱり一度好きになった人をそう簡単には忘れられない………っていうのが分かった。

って、伝えたいのに上手く伝えられない。

蘭になら、素直になれるのにな。
どうして、この人は駄目なんだろう………。


私………嫌いじゃないのよ………?本当は。
まだ………私、あなたを想っている。


「ごっ………ごめ………」


言い終わる前に、渉は何処かへいってしまった。

後ろから見ても分かる落ち込みよう………。



私は咄嗟に身体が動いた。


ぎゅっ………………


「え………?!華美ちゃん?!」


驚くのも無理ないわ。
だって私、自分でも驚いてる。



なぜか、渉に抱きついた。
無性に抱き締めたくなった。


「ごめんなさい。」



それだけいって私はその場を離れた。


「………まじかよ。華美ちゃん。どんだけ俺を………いじめる気なの?www(ニヤリ)」



なぜか。私無意識に振り返っていた。

もちろんそこに、新條渉の姿はないけど。


やっぱり



好きなんだ。私。


新條渉の事………。

あれだけ嫌いだったのに………。

いつの間にか心を………


奪われていた。