「ただいま」

帰りが遅かったからだろうか、お母さんが血相を変えて向かってくる。
「何でこんなにおそいの!?いい加減にしなさい!」
「別に、何でもいいじゃん」
「どうしてあんたは、しのやしゅんみたいにいい子でいられないの!もう、、、どうしてこんな子になったのかしら。」

その時、私の中で何かが切れた。

「だったら産まなきゃよかったんじゃん!ねぇ、どうして産んだの!?いらないんでしょ、だったら捨てなよ。私もこんな家、捨ててやる。偽物の家族なんていらねぇんだよ!」

バタン!
扉が閉まると同時に、涙が止まらなくなった。

「うぅっ、、、」

理由がわからない涙。
きっと、自分の惨めな姿が、苦しいのかな。
私も本当は、お母さんやお父さんに愛されたい。
妹や弟にあんな口を叩きたくない。
でも無理なんだ。
苦しいんだ。
自分の理性じゃ抑えきれない感情。

こんな時、そばにいてくれる人が欲しかった。